小さな恋の虹〜キミと描く夢〜


「いつまでも自分が一番だと思ってるから、梓に追い越されるんだよ」


フンっと笑って、海を見下ろしている。


圭の発言にムスッと頬を膨らませた海は、助けを求めるように良ちゃんに泣きそうな目を向けた。


「僕、し~らなぁい」


あっさり裏切った良ちゃんは、「さぁ、次は僕達の番」と走る準備をし始める。


「海、ドンマイ」


あたしも、軽く肩をすくめ良ちゃんと圭のあとを追う。


「だぁ! もう! みんなして酷いよ!! 2年集合~!!
もう一回走り直しだ~!!」


背後からの海の悲痛の叫びに、あたし達は3人で顔を見合わせクスリと笑った。


スタートラインに並んだ途端、トクントクンと鼓動が速くなる。




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