小さな恋の虹〜キミと描く夢〜


そんな遠くに行くの?


この島からだと、そう簡単には行けない場所だよ?


お金もかかるし、あたし達学生にとってはすごく遠い場所だ。


そんなところに、行っちゃうの……?


「まぁ、遅かれ早かれ、いつかは島を出るからね……」


そうだけど……


「それが一年早まったと思えば、同じことだよ」


ニヒ。っと、海がおちゃらけて笑った。


ガタン――…


突然、机のずれる大きな音が聞こえた。


「ルナちゃん!!」


口元を押さえたルナちゃんが、目にたくさんの涙を溜めながら教室から走り出た。


騒然となる教室。


あたしは、一度海の顔を見てから、すぐにルナちゃんの後を追いかけた。




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