小さな恋の虹〜キミと描く夢〜
今から走りだす緊張感なんかじゃない。
あたしの右隣で体をほぐす圭を横目でチラリと見る。
ジャンプをしたり、手首足首を回しながら同時に首を回したり。
カッコイイ……。
真夏の太陽にキラリと光る圭の茶髪が眩しくて目を細めた瞬間、圭があたしを見下ろした。
ヒッ――!!
ビックリして、サッと目を逸らし準備運動のフリをする。
「そんなんじゃ、準備運動の意味ないし」
手首や足首を適当にクルクル回すあたしを見て、圭がフンと鼻で笑った。
「あ、だよね。運動し慣れないと、どうしたらいいのかわかんないよね」
ハハっと頭をかくと、圭はプっと吹き出し、手の甲で口元を押さえた。