小さな恋の虹〜キミと描く夢〜
軍手は付けているけれど、肌をさす冷たい風のせいで、普段よりも痛さが増した。
一気に2つ持って行かないと効率が悪いけど、ここは仕方ないか。
時間はまだあるし、ひとつずつゆっくり済ましていこう。
あたしは、手からごみ袋が滑り落ちないように軍手を外して、両手でしっかりごみ袋を掴んで持ちあげた。
よし、これなら大丈夫だ。
サ――ッ。
「……!?」
急に、手に持つ袋が軽くなった。
パッと横を見ると、圭があたしの持っていた袋を軽々と抱えている。
「持つよ。
おまえはこっちにしとけ」
そう言って、圭が顎で足元の軽いほうのごみ袋を指す。
「あ、ありがと」
ドキリとして、目を伏せながら小さくお礼を言う。
「こんなことしてたら、時間がいくらあっても足りないだろ?」
「あ……うん」
「早くここ終わらして、次に行かないと」