小さな恋の虹〜キミと描く夢〜
圭と並んでごみ置き場に向かっていると、誰かの話声が聞こえてきた。
校舎の角を曲がろうとしたところで立ち止まり、圭と目を見合わせる。
そーっと校舎の陰から声の方を覗くと……
ごみ置き場付近を掃除している海とルナちゃんが、竹ぼうきを手に持って楽しそうに会話していた。
何だか行くに行けない雰囲気で、圭と校舎の壁に背中を付け、出るタイミングを見計らった。
2人の会話ははっきりとは聞き取れないけれど、たまに上がる笑い声がとても楽しそう。
「よかった」
ボソリと呟くと、圭が『何が?』とあたしを見下ろした。
「あの2人。
ルナちゃんが告白して気まずくならないかって心配してたんだけど、前より関係がよくなってるよね」
「そりゃ、相手の気持ちを聞いて悪い気はしないからな。
少しは意識してんじゃん? 海も」