小さな恋の虹〜キミと描く夢〜


圭は校舎の壁に頭を付けて、水色の空を見上げた。


あたしは、空を見上げてできた圭の顎のラインを見て、ひとり勝手に心を躍らせる。


意識してる……



圭も、あたしが告白したら、少しは意識してあたしを見てくれるかな。


もしフラれたとしても、海とルナちゃんみたいに、気まずくなることなく接してくれる?


あたしの視線に気づいた圭が、目を細めてあたしを見下ろした。


「なんだよ?」


「あ、いや。
なんでもないッス」


いちいち色気のある圭の表情に、思わず図太い声で答えてしまった。


ほんと、色気ゼロだな、あたし。


圭の色気を少しあたしに分けてくれれば、こんなにドキドキせずに済むのに……


色気ダダ漏れですぜ、旦那……




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