小さな恋の虹〜キミと描く夢〜


別れは、本当に突然だった……。


「歌恋ちゃん、圭、良久!!」


終業式終了後。


教室で帰宅準備をしていると、隣のクラスから数名が慌ててあたし達の教室に入ってきた。


ポカンと口を開けてドアの方を見ると、それぞれが言いたいことをうまく言葉に出せないほどパニックになっていて、ただ魚のように口をパクパクさせていた。


「か、海がっ!!」


ひとりが、隣の教室を指差しながらやっとの思いで言い、ゴクリとつばを飲み込む。


「海が、行っちゃったよ!!」


えっ!?

海が行った!?


今!?


あたしは圭と良ちゃんと目を見合わせ、机を倒す勢いで教室を走り出た。


同じタイミングで、知らせを受けた他のみんなも海の教室に走ってきた。




< 301 / 495 >

この作品をシェア

pagetop