小さな恋の虹〜キミと描く夢〜
学校から港までは、走って10分くらい。
ひざ丈のスカートが足に巻きついて走りにくいし、ごわごわのジャケットも、腕の動きを邪魔をする。
風が不規則に吹く度に口に横髪が入って、走りながら手で髪を払った。
14人の足音は、バタバタと不揃いに鳴り響く。
走って体温が徐々に上げってくると、あたし達の口から吐かれる息がどんどん白さを増していった。
パァーン……
港が近づいてくると、出航の合図を知らせる低くて鈍い音が島中に響き渡った。
しまった!!
みんなの足の回転が一層速まる。
たった10分弱走っただけなのに、もう体力は限界。
それでも、みんなで体を前のめりにして港に走り込んだ。
大きな船が、ゆっくりとゆっくりと、港から離れていく。
見送りの人でごった返す港で、あたし達14人は船の上の海の姿を探した。
けれど、どこにも海の姿は見当たらなかった。