小さな恋の虹〜キミと描く夢〜
白い体育服に、襟足の長い圭の茶髪が揺れている。
こんなに燦々と照りつける日差しの下で18年間も生きているのに、驚くほど肌が白い。
こんがり焼けているあたしとは、大違い。
神様は意地悪だ。
頭はいい、顔はいい、肌はキレイ。
こういうのって、全て女の子に必要なものなのに。
「ああー、負けたぁぁ!!」
ゴールを切った後で、良ちゃんが頭を抱えて悔しがっている。
良ちゃんは膝に手をついて、かなり息が上がっている様子。
それに比べて、余裕の1位でゴールした圭は陽ざしに目を細めながら、項垂れる良ちゃんを見てハハっと笑っていた。
そんなふたりのやり取りを、トロトロ走りながら見ているあたし。
ふたりに遅れてゴールをすると、呆れた圭の顔があたしに向けられた。