小さな恋の虹〜キミと描く夢〜
ば、バカっ!?
まぁ、バカですけど!!
娘をバカって言うって、母親としてどうよ。
「厳しく教えてやってちょうだい」
よそ行きの声色で言ったお母さんは、ガっと、般若の顔つきであたしを見て、『早く2階に行きなさい』と、図太く言った。
そして、また年甲斐もなく笑顔をキラキラさせて圭を見る。
「紅茶でいいよね?
すぐに持って行くからね」
「ありがとうございます」
あたしは、キラキラと輝く2人の間を裂くように通って、ひとり先に階段を上がる。
どうせ、あたしはバカですよ。
圭も、あたしをバカにする為にわざわざここまで来たんでしょ?
みんなして酷いよね。
受験前だって言うのに!!
「なんだ、真面目に勉強してたんだ」
あたしの部屋に入った圭は、机の上に広げた問題集を見て驚いたように言った。