小さな恋の虹〜キミと描く夢〜
あたしが言うと、圭はハっと笑った。
上から、圭の茶髪を見下ろす。
サラサラと風に靡いて、肩に置くあたしの手をくすぐる。
「別に、俺にうつしてもいいよ」
「……え?」
一直線に続くゴマの苗が、冬の乾燥した風に吹かれカサカサと鳴いた。
「おまえが学校休んで会えないくらいなら、俺が風邪をもらってやる」
ドックン――…
圭……
なに?
どうしたの?
圭、なんか性格変わった?
もちろん、圭はいつでもどこでもカッコよかったけど、こんなセリフを言うような人じゃないじゃん。
言葉よりも、表情で語る人だから。
こんなに想いをストレートに言うなんて……
それは、圭の中で、あたしが幼なじみから彼女に変わったから?
こんな圭を見れるのは、彼女の特権……?
どうしよう……
幸せすぎる。