小さな恋の虹〜キミと描く夢〜
「残念だったね、良ちゃん。一生懸命走ってたのに」
意識を圭から外す為良ちゃんに話しかけると、良ちゃんは眉をハの字に曲げてシュンと肩を落としていた。
「海の気持ちがすごくわかる。あいつは同志だ」
良ちゃんは圭をギロリと睨みつけると、勢いよく圭に飛びかかり首に腕を回した。
良ちゃんの勢いで前のめりになった圭は、グリグリと良ちゃんの頭を撫でまわし髪をボサボサにする。
好きだなぁ。ふたりのこの感じ。
本当の兄弟のようで、見ているこっちが幸せになる。
だから、あたしは圭に告白できないの。
あたし達は、幼いころから兄弟のようにして過ごしてきたから。
一緒に過ごしていくうちに、圭のことを好きになってしまったんだけど……