小さな恋の虹〜キミと描く夢〜


「圭から!?
うっそ!! 圭も歌恋ちゃんのことが好きだったの?」


きゃーっと、わざと顔を覆って高い声を出すユリちゃん。


「なーんだ、最初から両想いだったんじゃーん。
つまーんなーい」


口元をニヤけさせたのは、ルナちゃんだ。


「冬休みの間に付き合うなんて、ほんっとちゃっかりしてるよね~」


ユリちゃんとルナちゃんは、楽しそうにお互い顔を傾ける。


「おまえら、もういいだろ。
早く教室行けよ」


2人の冷やかしに、圭は靴箱から上履きを取りながら眉を寄せた。


「圭、照れてんだ。
自分から告白したくせに照れるなんて、案外圭って可愛いんだね」


デュフ。っと、ルナちゃんが気味悪い笑い声を洩らす。


「うるせっ! いいから早く教室に……」


「はいはい。
朝から賑やかにケンカご苦労さまですー」


あたしと圭の間に突然割り込んで来たのは、ひとりで登校してきた良ちゃんだった。




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