小さな恋の虹〜キミと描く夢〜
とうとう始まってしまった、3学期。
冷たい体育館に集まったのは、たったの14人。
ひとり人数が減っただけで、とても少なく感じた。
あと2カ月半……
きっと、あっという間に過ぎちゃうんだろうな。
「今日からだね」
体育館から教室に向かう途中であたしが呟くと、あたしの前を歩いていたみんながクルリと振り返った。
「海が新しい学校に通うの。
海、友達ちゃんとできるのかな~」
「あ、さっきね、海からメール返ってきたよ」
ルナちゃんが、14人の中心を歩く。
「なんて言ってた?」
みんな興味津々に目を輝かせる。
「都会の高校生は怖いって書いてあった」
そう言って、ルナちゃんは携帯の画面をみんなに見せた。
文字のあとに、ガクガクブルブルと絵文字がついていて、みんなで笑う。