小さな恋の虹〜キミと描く夢〜
「海、都会でやっていけんのかな。
きっと、田舎者丸出しなんだろうね」
良ちゃんがクスクス笑うと、みんな『海かわいそ~』と言ってワっと笑い声をあげた。
ルナちゃん、海とメールしてるんだ。
離れ離れになっても、そうやっていつまでも繋がっていれるよね?
あたしは、そーっと圭の横顔を見上げた。
みんなの会話には参加せず、ひとりただクールに教室に向け歩みを進める圭。
バシ――ッ。
突然、横から圭の左手が伸びてきて、ゴツンと頭を小突かれた。
そして、圭は目を細め、横目であたしを見下ろし微笑む。
「見過ぎ」
カァァァァ!!
圭の不敵な微笑みに、一気に熱を持ちだすあたしの頬。
耳まで熱くなって、わざと横髪を触って耳を隠した。