小さな恋の虹〜キミと描く夢〜
「あ、そうだ」
圭は、それぞれ教室に入って行く前にみんなの歩みを止めた。
「海の残したカメラあったろ。
あれで海に何かしてやろうと思ってるんだけど」
「何か?」
みんな廊下で立ち止まり、圭に顔を向ける。
「写真、あのままデジカメに収めたままじゃもったいないだろ」
「そりゃそうだけど。
“何か”って、何かいい案があるの?」
弟の稔くんが、圭と同じようにクールに両手をポケットに突っ込みながら質問した。
「いや。
まだ何にも考えてないけど」
みんな、それぞれに相談し始める。
写真を使って、何かをプレゼントする……
写真って聞くと、アルバムを手作りするくらしか思いつかないけど……