小さな恋の虹〜キミと描く夢〜
「絶対、歌恋を離すなよ」
珍しく、良ちゃんが男っぽい口調になったので、ちょっとビックリした。
圭は、ハっと乾いた笑いをもらすと、首を少し傾げ
「余計なお世話」
と、クールに言った。
その圭の首筋がカッコよくて、鼻血が出る前に目を逸らす。
夕焼けに染まる冬の空で、薄い雲がゆっくり右に流れていく。
温かみのあるオレンジが、教室とあたし達を包み込んでくれる。
それは、あたし達の中に芽生えた新たな友情を、祝福してくれているようだった。