小さな恋の虹〜キミと描く夢〜


圭はあたしを見て微笑み、ギュっと力を込めて握り返してきた。


「歌恋」


「ん?」


あたしは潮風で乱れる髪を手で押さえながら、圭を見上げる。


「おまえにプレゼント用意してきたんだ」


「ほんとに!?」


圭からプレゼント?

え、なになに?

あたし、今日誕生日じゃないのに。

何でもない日にプレゼント?


「探してみて」


「え、探す?」


あたしは、『どういうこと?』と圭を見上げる。


「この砂浜のどこかに隠してあるから」


圭が、顎で砂浜を指す。


「探し出せたら、それをおまえにやるよ」


イタズラに笑う圭。


探し出せたらって……


プレゼントを用意してくれたんなら、普通に手渡しでちょうだいよ。


わざわざこのだだっ広いところに隠さなくても。




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