小さな恋の虹〜キミと描く夢〜


あたしが少しふて腐れると、圭はもう一度砂浜を顎で指し『早く探せ』と促した。


「探せったって、だいたいどの辺に隠してあるの?」


ザッと砂浜を見回し圭に聞くと、圭は肩をすくめるだけで何も教えてはくれなかった。


あたしはとりあえず砂浜に座り込み、手で砂浜を掘り起こす。


「手、貝殻でケガすんなよ」


「は~い」


どこに埋まってるかわからないプレゼントを見つける為、あたしは手を必死に動かす。


ちょっとだけ、ワクワクした。


圭からの初めてのプレゼントは、何かなって。


早く見つけたくて、あっちかな、こっちかなって、ちょこちょこ移動して穴を掘っていく。


その間圭は、波で打ち上げられた大きな木に座りずっとあたしを見ていた。


ざらざらした砂をずっと触っていると手がヒリヒリしてきたので、落ちていた木の枝で砂を突っつく。



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