小さな恋の虹〜キミと描く夢〜


カツン――…


どのくらい、砂浜を掘っていたのだろう。


木の枝が、砂の中で何かにぶつかった。


あたしは木の枝を放り投げ、手で素早くそこを掘り起こしてみる。


「うわ……」


出てきたのは、小さなビンだった。


「星の砂だ」


小さなビンの中に収まるたくさんの星の形をした砂達が、太陽の光を受けてビンの中でキラキラと輝いている。


この砂浜には砂を手ですくうと、こうやって星の形をした砂がたくさん現れるんだ。


小さくて可愛いから、小学生の時はよく集めてたっけ。


「よくできました」


いつの間にかあたしの後ろに来ていた圭が、あたしの頭を撫でた。


「これ、どうしたの?」


「おまえの為に集めてたんだよ」


「わざわざ、あたしの為に?」



< 364 / 495 >

この作品をシェア

pagetop