小さな恋の虹〜キミと描く夢〜
カツン――…
どのくらい、砂浜を掘っていたのだろう。
木の枝が、砂の中で何かにぶつかった。
あたしは木の枝を放り投げ、手で素早くそこを掘り起こしてみる。
「うわ……」
出てきたのは、小さなビンだった。
「星の砂だ」
小さなビンの中に収まるたくさんの星の形をした砂達が、太陽の光を受けてビンの中でキラキラと輝いている。
この砂浜には砂を手ですくうと、こうやって星の形をした砂がたくさん現れるんだ。
小さくて可愛いから、小学生の時はよく集めてたっけ。
「よくできました」
いつの間にかあたしの後ろに来ていた圭が、あたしの頭を撫でた。
「これ、どうしたの?」
「おまえの為に集めてたんだよ」
「わざわざ、あたしの為に?」