小さな恋の虹〜キミと描く夢〜
「なんちゅー顔してんだよ」
「うっ……」
いきなり眉間を人差し指で押され、ガクンと頭が後ろに下がった。
圭に押された眉間を押さえて、頭をまっすぐ起こすと……
後ろに、とても温かな温もりを感じた。
「んな不安そうな顔しなくても大丈夫だよ」
後ろからギュっと圭に抱き締められ、耳元で甘くかすれる声がする。
「う、うん……」
一気に暴れ出した心臓があたしの全身を震わせ、理性を奪っていく。
後ろから回された圭の腕にそっと手を当てて、顔をうずめた。
「1年なんて、あっという間だって」
「……そうだよね」
「毎日連絡するし」
「うん」
「おまえが会いたいって言えば、貯めたバイト代はたいて会いに行く」
そっと離れた圭に肩を掴まれ、クルリと向かい合う。
圭は少し頬笑み、風で乱れるあたしの前髪を横に分けた。
「まぁ、しょっちゅうはムリだけど」
そう言って、圭が苦笑する。