小さな恋の虹〜キミと描く夢〜
1日2時間くらいの作業で、みんなの疲れはピークに。
体育館の中は、ヒンヤリと冷たい床のせいで、外より温度が下がり手がかじかんでくる。
作業はし辛くなるし、キンキンと頭は痛みだすしで、1日に進む量はあまりよくなかった。
残り17日。
16日。
15日。
と、日めくりカレンダーだけが進んでいく。
あたしは、ひとりガジュマルの木の下に行って、スカートのポケットから圭にもらった星の砂を取りだした。
右手に強く握って、高い空を見上げる。
ハァーっと吐いた白い息が、水色のキャンパスに広がり薄らと雲を描いた。
モザイクアートは、完成しないとは思わない。
みんな一生懸命だから。
特に、海のことを想うルナちゃんの目は誰よりも真剣だった。
好きな人への贈り物……
圭も、この星の砂を集める時、きっと本当に一生懸命だったんだろうな。