小さな恋の虹〜キミと描く夢〜


あたしも一緒になって笑うと、良ちゃんは『貸して』と、ビンに手を伸ばしてきた。


小さなビンを手に取り、クルリと中身を覗き込んでいる。


「これさ、実は夏くらいに集めてたって知ってる?」


「え? 夏?」


あたしが驚愕の声を上げると、良ちゃんは頷きながら笑った。


「圭、ああ見えて結構なビビリじゃん?
いちいち僕に電話で相談してきてさ」


……そんなことがあったんだ。


密かに圭に想われてたんだと思うと、顔が熱くなる。


「小さい頃、歌恋はよく星砂を集めてたよな?とか、どんなプレゼント送ったら喜ぶと思う?とか」


そんな会話、2人でしたりするんだ。


ずっと3人一緒にいたのに、初めて知ることばかりでビックリする。


やっぱり圭と良ちゃんには、同じ幼なじみでも女のあたしには入れない領域があるんだ。


「圭はずっと前から、呆れるくらい歌恋のことが好きだったんだよ」


……圭が、ずっと前から?



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