小さな恋の虹〜キミと描く夢〜
『海、心の準備は出来てるか?』
圭が、画面に映る海を人差し指で指す。
どうしよう……
なんか、ものすごく緊張してきた。
多分あたしだけじゃなくて、みんなもだ。
『息、止めてた方がいいぞ』
圭は言った後にフっと笑い、携帯をモザイクアートの方に向けた。
画面が小さいから、海にはあまりよく見えないかもしれない。
でも、あたし達の想いは、きちんと届くはずだ。
「……っ!」
海の、息が止まったのがわかった。
『見えるか、海』
圭が、携帯をゆっくり左右に動かし全体を見せている。
『……見えるよ』
詰まる海の声が、微かに聞こえた。