小さな恋の虹〜キミと描く夢〜
「おまえの手、めっちゃ冷たい」
「圭の手だって冷たいじゃん」
あたしが言うと、圭はあたしに顔を向けハハっと笑う。
「どこ行くの?」
圭の腕にピッタリくっついて、隣の圭を見上げる。
「別に決めてない」
困ったように笑った圭は、
「おまえと一緒にいたいだけだから」
と、目を細めて柔らかく微笑んだ。
「………っ」
息が詰まる。
圭のひとつひとつの表情が好きすぎて、どういう反応をしていいのかいちいち戸惑う。
だって、付き合いだしてから圭の性格が急に変わったんだもん。
こんなにストレートに自分の感情を言うなんて、前はなかったのに……
あたし達は海岸沿いの道を歩き、防波堤の上に登って遠くから透き通る海を眺めた。
静かに波打つ音と、青い空をゆったりと飛ぶ鳥の鳴き声が心を落ち着かせてくれる。
あたしは圭と並んで防波堤に腰を下ろした。