小さな恋の虹〜キミと描く夢〜
耳を赤く染めた圭が、ポスっとあたしの首筋に顔を埋めてきた。
マフラーの上から、圭の温もりを感じる。
ド、ド、ド、ド、ド。
激しくなる鼓動は、あたしのもの?
それとも、圭のもの?
ああ、もう、どうしよう。
「……離れたくない」
……え?
たった今心で思ったことが圭の口からこぼれて、あたしはサっと圭を見た。
圭はあたしの首筋から顔を上げると、乱れた前髪を首を振ってなおす。
「ごめん。
弱いな、俺」
「……圭」
「こんなこと言っても、仕方ないのにな」
あたしと繋がった赤いマフラーに首を埋め、圭が切なく笑った。
圭のバカ……
そんな切ない顔して言わないでよ。
涙、出てくんじゃん……