小さな恋の虹〜キミと描く夢〜


将来の夢について語り合った、夏休み前の最後のキャンプ。


みんなにはきちんと夢があって、ひとり焦ったりもしたっけ。


夏休みには大きな台風が来て、圭がケガしたと連絡を受けたあたしは無我夢中で病院に駆け付けた。


圭は軽い捻挫だったのに、“ケガ”という単語でひとり勝手に状況を大きくしたあたし。


あれは、恥ずかしかったな……


圭のお母さんに浴衣を着せてもらってみんなで行った夏まつり。


15人で見上げた、夜空に吐き誇る色とりどりの花はとてもキレイだった。


その後、あたし達は秋祭りの練習をしたり、受験勉強に没頭したりと、忙しい日々を過ごして。


……圭のお母さんが、亡くなった。


初めて経験した、人の“死”。


今まで側にあった温もりが失われたことをなかなか受け入れられなくて、あたし達3人は少し離れつつあったね。


その悲しみを乗り越えて迎えた秋祭り当日には、“うまくやっている”ことを伝えようと、圭が会場に現れた。


12月には、海が転校しちゃって……


みんなで“15人の絆”を作り上げた。





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