小さな恋の虹〜キミと描く夢〜

福岡へ



卒業してから1週間後、大学から合格通知が届いた。


玄関で白い封筒を開け、何度も何度もそれが“合格”であることを確認する。


廊下で飛び跳ねながらお母さんと抱き合い、良ちゃんからも“合格した!”と言うメールが届いて一安心。


春から晴れて、大学生だ。


ものすごく大人になった気分。


これからは、髪型も自由だし、ちょっと化粧なんかもして魅力的な女性になるんだ。


ピンポーン――。


玄関のチャイムが鳴ったのでドアを開けると、そこには誇らしげに笑う圭が立っていた。


グレーのスウェットという、かなりラフな格好だ。


「おめでとう」


圭に言われ、『もう聞いたの?』と目を丸める。


「今、良久からメールきた」


そう言って、圭は手に持つ携帯を上に持ち上げた。


……良ちゃん、相変わらず情報回すの早いな。



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