小さな恋の虹〜キミと描く夢〜
「よかったな」
「うん。ありがと」
嬉しいけど、ちょっと切なくもある。
もう、別れは目の前に来てるから……
「あ、部屋上がってく?」
「いや、いいよ。
引っ越しの準備とかあんだろ」
……引っ越し。
ああ……ダメだ。
涙腺が完全に緩んでる。
「ちょっと外で話せる?」
あたしの表情で心を読み取ったのか、圭は顎で玄関の外を指し肩をすくめた。
あたしは圭と一緒に玄関を出て、門の前で腰を下ろす。
「合格通知受け取るってどんな感じ?」
圭の静かな声が、冷たい風に乗ってくる。
「最初、本当に信じられなくてさ。
合格の前に“不”がついてないか、お母さんと何度も見合ったの」
「ハハっ。
本当についてなかった?」
「ついてなかったよ!!
何度も確認したんだから」