小さな恋の虹〜キミと描く夢〜
あたしは顎を少し突き出し、自転車のうしろに立って良ちゃんの肩を掴む。
すると良ちゃんはあたしを少し振り返り、
「寝坊するなら、もっと早く寝れば?」
と、奥二重の目をキュっと細め、あたしを見上げた。
「はいは~い。出発進行!!」
あたしは耳にフタをして、前方を人差し指で指す。
「ったく……ちゃんと掴まっててよ」
「はいは~い」
良ちゃんが少し前かがみになり足に力を入れると、ゆっくり自転車が走りだした。
良ちゃんがペダルをこぐ度に、彼の左右の肩が交互に下がる。