小さな恋の虹〜キミと描く夢〜


……うん。

わかってるよ。


大丈夫大丈夫って自分に言い聞かせてきたけど、本当は大丈夫じゃないことくらい気づいてた。


圭に今日来なくていいって言った事だって、ただの強がりだし、ただのビビリ。


最後に圭の顔を見れなくて、ああ言ったことを後悔だってしてる。


だけど、好きだからこその行動だったの。


あたしは、圭のことが大好きだから……

再会するまでは、圭の泣き顔を見たくなくて……



パァ~~ン……


出航の合図が、低く島中に鳴り響いた。


ガタガタ船体を揺らしながら、港からゆっくりゆっくり離れていく。


あたしは良ちゃんとデッキに出て、港からこちらに手を振るみんなを見下ろした。


「バイバ~イ!!」


大きく手を振る。


海を見送る時には、船の動きってゆっくりしてるなって思ったけど、こうやって自分が船の上にいるとその動きがとても速く感じた。


どんどん小さくなっていくみんなの姿。


ちょっと離れて見てみると、この島は本当に小さな島なんだなって思った。


だけど、この小さな島に、大きすぎる思い出が残ってる。


離れるのは、やっぱり辛い……


「歌恋っ!!!!」



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