小さな恋の虹〜キミと描く夢〜


みんなの泣き顔と、涙を必死に堪える圭の辛そうな顔と。


あたしの隣で、大きく手を振りながらポタポタ涙を頬に落とす良ちゃんと。


あたしは、素敵な仲間に囲まれすぎだ。


涙を流しながら、こんなに幸せな気持ちになれるなんて。


海の上の風はとても強く、あたしと良ちゃんの髪をあちこちに乱れさせる。


段々見えなくなっていくみんな。


大好きな人の姿も、どんどん小さくなっていく。


最後に、圭は来てくれた。


あんなに自転車を一生懸命漕ぎながら。


最後まで泣くのを我慢してくれたし、あたしが安心して行けるように背中も押してくれた。


あたしは、圭と良ちゃんと幼なじみでよかった。


圭が彼氏で、本当によかった。


この島に生まれたこと、学校のみんなに出会えたこと。


全てが、あたしの誇り。


青い空。

青い海。


青い色に包まれて、あたし達は成長してきた。


“青”は、幸せの色。




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