小さな恋の虹〜キミと描く夢〜
タンクトップ……
すぐに、圭の黒のタンクトップ姿を頭に思い浮かべた。
程良く筋肉の付いた圭の二の腕……
ああ、もうっ!!
今すぐ直接見たいっ!!
4月の温かな風が窓から吹きこんでくる。
アパートの前にある小さな公園で、1本の桜の木が、美しいピンク色の頭をユラユラ揺らしていた。
『福岡って、都会?』
『う~ん、博多の方は都会過ぎてこの前良ちゃんと迷子になったけど、この辺りは全然だよ』
『良久と出かけたの?』
急に不機嫌になった、圭の声。
ムッと片方の眉を下げる圭の表情が想像出来て、ちょっとニヤけてしまう。
ヤキモチ妬いてくれたのかな。
ちょっと、嬉しい。
『心配しなくても大丈夫だよ。
あたしは変わらず圭のことが好きだから』
『フゴっ……!』
あたしが言うと、圭は何かを飲んでいる最中だったのか、苦しそうにせき込んだ。
『だ、大丈夫?』
『不意打ちで言うのやめろ』
『じゃあ、今からあたしの気持ちを伝えます。
心の準備はいいですか? 好きですよ、圭さん』