小さな恋の虹〜キミと描く夢〜


あたしがクスクス笑いながら言うと、圭も『なんだよ、それ』と声を上げて笑った。


「歌恋~!
昼飯買って来たよ~!」


「あ、良ちゃんだ!」


携帯を耳に当てながら玄関の方を見ると、コンビニの袋を提げた良ちゃんが足の踏み場を探しながら部屋に上がってきた。


「うわ……
全然片付いてないじゃん、歌恋! 今まで何やってたの?」


あまりにも汚い部屋を見て、良ちゃんが眉を寄せる。


「あ、電話?
もしかして、圭?」


あたしは、『そう』と頷く。


『圭、良ちゃんが来たから、電話切るね。
電話代もかかるしさ』


『じゃあ、また明日かける』


『いいよ、明日はあたしからかけるから』


あたしが言うと、圭が電話の向こうで笑った。


『歌恋、ちょっと良久にかわって』


『良ちゃんに?』




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