小さな恋の虹〜キミと描く夢〜
段ボールをずらして座る場所を確保した良ちゃんが、あたしを見上げる。
「圭がかわってって」
床に座る良ちゃんに携帯を渡すと、良ちゃんは嬉しそうに電話を耳に当てた。
『よう、相棒。
元気にしてた?』
良ちゃんと圭が話してる間に、あたしは良ちゃんの買ってきてくれた昼ご飯が食べられるように、段ボールでテーブルを作った。
『はいはい。
心配しなくても、大丈夫ですよ』
どんな会話をしているのか。
良ちゃんが呆れながら頷いている。
『こっちの心配はいいから。
圭はちゃんとやるべきことやって、早くこっちに来てよね』
携帯でしゃべりながら、コンビニの袋からおにぎりや唐揚げを出す良ちゃん。
『歌恋ばっかりじゃなくて、たまには僕にも連絡ちょうだいよ』
膨れる良ちゃんが可愛い。
『はいはい、じゃあね~』
パチンと携帯を折った良ちゃんが、あたしに携帯を返してくる。