小さな恋の虹〜キミと描く夢〜
「圭、なんて?」
「歌恋に手を出すなだって」
「そんなこと言ったの?」
良ちゃんにそんなこと言うなんて。
あり得ないのに。
「さ、とりあえず腹ごしらえをして、とっとと片付け済ませようよ」
「良ちゃんはもう終わったの?」
あたしはおにぎりの袋を開けながら良ちゃんに聞く。
「当たり前じゃん。
必要最低限の物しか持ってきてないし」
良ちゃんのアパートは、あたしのアパートとそんなに離れていない。
2人共、大学の近くにアパートを借りられたからラッキーだ。
駅からも近いし。
「えー、じゃあ、片付け終わるまで良ちゃんちに泊めてもらおうかな~」
おにぎりを頬張って言うと、良ちゃんは唐揚げを右の頬に寄せながら嫌な顔をした。
「今の圭が聞いたら、きっと怒るよ?
殴られるのは僕なんだからね!」
……う。
そうだよね。