小さな恋の虹〜キミと描く夢〜
恋する乙女の目って、あんなに幸せそうになるんだ。
知らなかった。
でも……
あたしもそうだったのかな?
圭を見てる目、今のりさちゃんみたいになってたのかな?
まぁ、可愛さが全然違うんだけどね……
「赫。
さっきバイトしたいって言ってたけど、何かやりたいバイトあるの?」
あたしの隣でカツカレーを食べている武内くんが、聞いてきた。
あたしは口を尖らせて『ううん』と首を振る。
「ならさ、居酒屋でバイトしてみる?」
「え?」
「俺もバイト入ってるとこなんだけど、最近ひとりやめちまってさ、今人手不足なんだよ」
居酒屋でバイト?
……都会の居酒屋。
なんか、ちょっと怖いかも。
「ダメだよ、歌恋!」
あたしの隣から、良ちゃんの叱咤が飛んだ。
「歌恋が居酒屋でバイトとか危なすぎるから、絶対ダメだって!」