小さな恋の虹〜キミと描く夢〜
トクン――…
一気に心が温かくなった。
圭の声を聞く度に会いたいなって思うけど、こんなことを聞くと幸せでいっぱいになる。
『歌恋』
『ん?』
あたしはペディキュアの手を止め、携帯を右手に持ち直した。
ベッドの上に座り、ペディキュアが速く乾くように足を動かす。
『こっちに帰ってきたら、思う存分抱き締めさせて』
……ほら、もう。
一気に体中に幸せが広がる。
圭だけだよ。
圭の一言ひとことに心臓が反応して、荒ぶったり静まったりする。
圭の声を間近で聞いた耳も、幸せで熱を持つ。
『うん。いいよ』
あたしが照れながら返すと、圭の笑った時の息が、耳に吹きかかった。