小さな恋の虹〜キミと描く夢〜
武内くんは慣れているからか、制服姿がすごく様になっていた。
「やっぱり、初日ってかなり緊張するね」
「最初はみんなそうだよ。
俺だってそうだったから」
武内くんは、『はい』と、あたしに注文票を差し出した。
それを受け取り、ジッと眺める。
「お客から注文があったら、これに書いて厨房に出して」
「……う、うん。わかった」
注文票……か。
メニューって、どのくらいの種類があるんだろ。
居酒屋だから、きっとたくさんメニューがあるよね。
今日は開店前だから今勉強が出来るけど、これからはあたしが入る時間は一番多い時間帯だから、ちょっと不安かも……
コツン――…
注文票とひとり睨めっこしていたら、頭に武内くんの拳が軽く当たってあたしは首を引っ込めた。
「そんな不安がらなくても大丈夫だよ」
「………」
「言っただろ?
いざとなったら俺が助けるから」
「……うん」