小さな恋の虹〜キミと描く夢〜


「う~ん、まだ4カ月ちょっとくらいだよ。
って言ってもずっと幼なじみだったからね~、付き合いはもう10年以上」


そう言ってフフっと笑うと、武内くんは儚く瞬く星を見上げながら『ふ~ん』と頷いた。


「やっぱり、寂しい?」


武内くんに言われて、あたしもグっと夜空を見上げる。


キラキラと不規則に瞬く星。

島でも、星見えてるかな……


「寂しいよ」


「………」


「自分で決めた進路の為に、遠恋を覚悟したんだけどさ……。
こうやって毎日会えなくなると、すごく寂しい」


武内くんの視線が、星空からあたしへ下りてくる。


公園の前の街灯が、ちょうど武内くんの顔を照らし出した。


眼鏡の奥の二重の目が、優しく下がっている。


武内くんは、街灯の下でゆっくり歩みを止めると、体をあたしの方へ向けてきた。


あたしは首を傾げて武内くんを見上げる。


「赫……あのさ」


「歌恋っ!!」




< 431 / 495 >

この作品をシェア

pagetop