小さな恋の虹〜キミと描く夢〜
「う~ん、まだ4カ月ちょっとくらいだよ。
って言ってもずっと幼なじみだったからね~、付き合いはもう10年以上」
そう言ってフフっと笑うと、武内くんは儚く瞬く星を見上げながら『ふ~ん』と頷いた。
「やっぱり、寂しい?」
武内くんに言われて、あたしもグっと夜空を見上げる。
キラキラと不規則に瞬く星。
島でも、星見えてるかな……
「寂しいよ」
「………」
「自分で決めた進路の為に、遠恋を覚悟したんだけどさ……。
こうやって毎日会えなくなると、すごく寂しい」
武内くんの視線が、星空からあたしへ下りてくる。
公園の前の街灯が、ちょうど武内くんの顔を照らし出した。
眼鏡の奥の二重の目が、優しく下がっている。
武内くんは、街灯の下でゆっくり歩みを止めると、体をあたしの方へ向けてきた。
あたしは首を傾げて武内くんを見上げる。
「赫……あのさ」
「歌恋っ!!」