小さな恋の虹〜キミと描く夢〜
「違うよ。
同じ大学にいるよ」
「そうなの?
そっか~、いいなぁ」
「羨ましい?」
「羨ましいよ!
だって、毎日顔見れるし、話も出来るし、一緒にいられるじゃん」
言いながら、段々落ちこんでくる。
側にいられたら、どんなに幸せか……
圭と離れてまだ数カ月しか経っていないのに、もう何年も遠恋を続けてる気分だ。
「じゃあ……ちょっと見る目を変えてみるっていうのもいいんじゃない?」
見る目を変えてみる?
……どういうこと?
「もしかしたら、近くにいるかもしれないじゃん」
「………」
「今の彼氏より、もっといいヤツが」
布巾片手に固まるあたしの近くへ来た武内くんは、テーブルに少し腰かけあたしの顔を覗き込んできた。
「そういう人を見つけた方が、赫にとってもいいんじゃない?」
「……あたしにとって?」