小さな恋の虹〜キミと描く夢〜


数日後。


「歌恋」


講義が終わり、武内くんとリサちゃんと講義室を出たところで、すぐに良ちゃんに呼び止められた。


良ちゃんに会えたことにリサちゃんのテンションは一気に上がり、可愛く良ちゃんの隣を陣取る。


だけど、良ちゃんはりさちゃんには目もくれなかった。


「歌恋、ちょっと来て」


「え、ちょ……」


強引にあたしの手首を引っ張る良ちゃん。


あたしは、講義室の前で立ちつくす2人に向かって『ごめんね』と眉を寄せて口パクした。


ズンズンと歩く良ちゃんは、廊下を曲がるとあたしの手を乱暴に離しその反動で体が前のめりになる。


「ちょ、どうしたの?良ちゃん。
リサちゃんの前であんな態度取らなくてもいいじゃん。
リサちゃん、良ちゃんのことが……」


「圭から連絡は?」


……え?



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