小さな恋の虹〜キミと描く夢〜
ダメだ……
弱ってる時に優しい言葉をかけられると、今まで我慢していた糸が緩んでしまう。
本当……あたしはいつも良ちゃんに甘え過ぎだ。
良ちゃんの気持ちも、考えもせず……
「来月島に帰った時、ちゃんと圭と話をするんだよ?」
「………」
あたしは嗚咽で声が出せず、ただ頷いた。
ポロポロと次から次に涙が頬に伝い、呼吸も乱れてくる。
「よしよし、もう泣くなよ。
辛いのは今だけだから」
「……うん」
「ちゃんと話せば、すれ違いなんてなくなるんだから」
良ちゃんは困った顔であたしを覗き込むと、子供をあやすようにギュっと抱きついて背中をさすった。
本当に、すれ違いはなくなる?
辛いのは今だけ……?
もう少し我慢すれば、また幸せな日々を過ごせるよね……?