小さな恋の虹〜キミと描く夢〜


「うん。
もう、明日出発するだけ」


ニッコリ笑って武内くんを見上げると、黒ぶち眼鏡の奥の目が、キュっと柔らかく細くなった。


「やっと会えるね。
嬉しい?」


「うん。
最近全く連絡ついてないから、不安はあるけど……。
やっぱり、会えると思うと、かなりテンション上がってる」


あたしが言うと、武内くんの微笑む声が聞こえた。


「そっか……」


武内くんの静かな声に、ひとりテンションが上がってる自分が少しだけ恥ずかしくなって肩をすくめた。


ああ、早く明日にならないかな。


島に着いたら、すぐに圭に会いに行くんだ。


圭のお店に突然行って、驚かせちゃおう。


そして……

もう一度、自分の気持ちをちゃんと伝えなきゃ。


勉強とバイトを詰め過ぎたせいで、圭とすれ違っちゃってるけど、あたしは今でも変わらず圭のことが大好きだって。


一度も圭のことが、頭から離れたことはないって。


圭も、あたしのこと、まだ好きだよね?

って、確認しなくちゃ……



「赫」




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