小さな恋の虹〜キミと描く夢〜
武内くんの言葉に、唇を噛みながら細かく頷いた。
すると、武内くんは大きく息を吐き、一度グッと空を見上げた。
「じゃあ」
ピンとはった喉から、苦しそうな声が出る。
「伝える」
夜空から下りてきた、武内くんの目。
とても真剣な、キリっとした目。
あたしは、こめかみに当てる人差し指をそっと下ろした。
武内くんは、あたしから目を逸らさずジッと見ている。
あたしも何だか、武内くんの瞳に捕まり身動きが取れなくなった。
何だろう……この感じ。
どうして、こんなに緊張するんだろう……
グイ――…
緊張感あふれる空気に戸惑っていると、急に手首を掴まれ引きよせられた。
あまりにも突然で、武内くんの腕の中にスっとおさまったあたしの体。
……え?