小さな恋の虹〜キミと描く夢〜
良ちゃんが、あたしを好き?
子供の頃から……?
「圭のことが好きな歌恋を混乱させたくなかったから言わなかったけど……本当はずっと……死ぬほど苦しかった」
良ちゃんに言われて、過去の記憶が一気に大きな波となってあたしを飲み込んだ。
『そんなに心配だった?』
台風が島を直撃した日、圭がケガをしたと聞いて慌てて駆けつけたあたしに、良ちゃんは今にも泣きそうな表情で言った。
『……歌恋がそう決めたなら、僕は見守らなきゃいけないのかな』
あたしが島を出る理由を見つけた日には、かすれた声で呟き。
『言えるようになったら言うよ』
たまに見せる良ちゃんの切ない表情のわけを聞いた日には、眉をハの字に垂らして切なく微笑んだ。
なんだかおかしいなとは思ってたけど、まさか、良ちゃんがあたしのことを好きだったなんて、思いもしなかった……
あたしは一体、どのくらい良ちゃんの心を傷つけてしまったんだろう。
「歌恋が圭とすれ違ってることが、僕にとってもどんなに辛いか、わかる?」
「………」