小さな恋の虹〜キミと描く夢〜
「相手が圭だから、僕は自分の気持ちを抑えてきたんだ」
良ちゃんの辛そうな顔が、ちょっとずつちょっとずつ近づいてくる。
「でも、他の男はダメだ」
「……良ちゃん」
「僕にとって、歌恋はかなり大切な存在だから」
良ちゃんの首が少し傾いた。
腰を折って、あたしと顔の位置を合わせる。
近づく良ちゃんとの距離に、どんどん影が出来ていく。
ダメ!
あたしは、反射的に顎を引いてしまった。
瞬間、ピタリと止まる良ちゃんの動き。
あたしは、そっと良ちゃんの肩に手を当て体を離した。
「……ダメだよ、良ちゃん」
「………」
「ごめん……」