小さな恋の虹〜キミと描く夢〜
「大丈夫?」
あたしがベッドの横で膝を立てて聞くと、良ちゃんは力なく瞬きをしながら頷いた。
「またクーラーがんがんかけて寝てたんだろ?」
圭は、マンガだらけの本棚を物色し、チラリと良ちゃんを見る。
「バレた?」
良ちゃんが小さな声で返すと、圭は一冊のマンガを手に取り、「お見通し」と言ってフンと笑った。
「良ちゃん、熱あるの?」
あたしは良ちゃんのフワフワの前髪を少し横に分け、おでこに手を当てる。
少し汗ばんだ額は、まだ熱を持っているようだった。
「さっき測ったら37,5℃だった」
「まだ微熱だね。辛い?」
「もうだいぶ楽になったよ」
良ちゃんがあたしを見上げて口角を上げたので、あたしは胸をなでおろした。