小さな恋の虹〜キミと描く夢〜
「可愛いひ孫のおかげかな~。
胸の音、だいぶよくなってるよ」
おばあちゃんは、つい最近までぜんそくで苦しそうにしていたんだ。
「私も、まだまだ長生きできるね~」
フフフと、おばあちゃんが笑う。
明るくて、アットホームな診療所。
あたしは圭と目を合わせ、微笑みあった。
「次の方~」
「おっ!!
歌恋ちゃん、今日もナース姿可愛いね~!」
診察室のドアを開けて廊下に呼び掛けると、突然賑やかな声が聞こえてきた。
「海~。
来てたんだ」
廊下には、最近日本国内を忙しそうに回っている海が来ていた。
高校の時、神奈川に転校して行った海。
写真を撮るのが大好きだった海は、神奈川に行ってもずっとカメラを離さず持っていたんだって。
学生の頃はただのカメラオタクだと思ってたけど、今ではそれを仕事にしている。
プロのカメラマンになり、全国の色々なところで写真展を開いているんだ。