小さな恋の虹〜キミと描く夢〜
「歌恋、ちょっと」
患者さんを診察室に入れる前に、あたしを診察室に招き入れた。
圭はドアを閉めると、甘えた顔であたしを見てくる。
そんな可愛らしい圭を見上げて、あたしは微笑む。
「ちょっと休憩」
そう言って、圭の顔が少しずつ近付いてきた。
廊下から騒ぐ声が聞こえてくる中、静かな診察室で唇を合わせたあたし達。
短いキスで顔を離すと、圭が嬉しそうに顔いっぱいに笑顔を咲かせた。
「これで仕事に集中できる?」
あたしが聞くと、圭は上を見上げ『う~ん』と考え込む。
「まぁ、30分くらいは」
「短くない?」
あたしが苦笑すると、また圭の唇が重なった。
「これで1時間に延びました」
そう言って、圭が満足そうに診察室のドアを開ける。